2017年03月24日

AMAYAの新社名を考えてあげるでござるの巻

毎度拙者でござる!!

最近ポーカー界をゆるがす大問題が勃発しているのを
みなさんご存じでござろうか?

詳しくはこちらの出来事さんのTwitterより。

「Amaya社は、会社の現状と今後の方向性をより反映した名前
への社名変更を予定する(今夏の株主総会で諮る)。
具体的な新社名は明かされていない。」

一応説明しておくと、スターズを運営しているのがこのAMAYA。
その名前が変わというのは、大問題なんでござるよ。

万が一「ティムコ」(釣り具メーカーです)なんて社名になったら
ますます日本でのポーカーの普及が遠くなってしまうでござる。

きっと今頃アマヤの社内では、あれがいいこれがいいと
毎日夜を徹しての大討論が行われていると思うでござる。

そこで、今回はもうおうち帰りたいよ〜という可哀そうな
アマヤ社員のために、拙者がナイスな新社名を考えてあげたでござるよ。

いくつか考えたのでこの中から好きなのを選べば万事解決。

謝礼なんていらないでござるが、サンミリのチケットくらいは
よこしても罰は当たらないでござるよ。

それではどうぞ〜。

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・MOMOYA

MOMOYA.png

親しみやすいキャラクターを前面に押し出して
レクリエーショナルプレイヤーの獲得を狙います。
カジノ解禁に合わせて、初の日本大会も開催。
副賞はごはんですよ1年分。


・アマーバックス

スタバ.jpg

えせ意識高い系があつまるポーカールームとして、
おしゃれ感を前面に押し出して行きます。
本当に意識高い人はあんなカロリーの高い
飲み物は飲みません。

現状星の名前が付けられいるテーブルは
ブルーマウンテン、モカ、グァテマラ等
コーヒー豆の品種に変わります。


・アマンサタバサ

えびちゃん.jpg
それなりの品質のバッグや財布を、ちょっと高めな値段で
ふわふわした女子大生ポーカープレイヤーに売りつけます。
ストアにはそんなふわふわした素敵なグッズが一杯!!
でも意外と奥さんや娘さんの機嫌を取るには好評だったりするかも。


・餃子のAMAYA

王将.png

もうからないポーカー事業からは撤退し、
餃子やラーメンを中心とした外食チェーン店となります。
なお、創業者の兄弟が喧嘩別れして
餃子のAMAYAと大阪AMAYAに分裂するまでがデフォです。


・雨屋

まつや.jpg

もうからないポーカー事業からは以下略。
味噌汁無料です。


・Amangho(アマンホー)

ガンホー.jpg

今はPCよりもスマホの方の使用者が多いそうです。
そこでスマホアプリを大幅に強化した
「POKER&DRAGONS」
略してポカドラが大人気に。
VPPを使用してガチャを回すビジネスモデルです。
今なら★5のダニエル・ネグラーノ(髪の毛ありバージョン)がもらえる!!


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さていかがだったでござるかな?

今日は拙者これから東京に行くので、時間が無く
画像やネタもかなりやっつけでござった。

それでは飛行機の時間なので今宵はこれまで。
次回まで御免!!

posted by 桃太郎侍 at 11:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月21日

【ポーカー小説】エドワード・ゲイツにAAは要らない 後編

毎度拙者でござる。

今回はポーカー小説「エドワード・ゲイツにAAは要らない」の
後編でござるよ。(前篇はコチラ

何度も同じトーナメントを繰り返す事になったゲイツ氏。

果たして彼はこのループから抜け出せるのか、
そしてその先にある意外な結末とは・・・。

それでは後編スタートでござる。

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【十二回目】

何度も何度も同じ時間を繰り返し、
ついに私はHU(ヘッズアップ)までたどり着いた。

相手は私より十は若い、生意気そうな金髪の青年だった。

しかしこれまで飛び寸前でなんとかここまでたどり着いた私と、
ずっとチップリーダーに君臨して来た彼の間には、
圧倒的な勢いとチップ量に差があった。
これをひっくり返すには、これまで以上の繰り返しが必要だろう。

二十回、二十五回、三十回。
その内に今が何回目かすら分からなくなった。

一回負けるとまたトーナメントを一からやり直さなければならないのだ。
気が狂いそうだった。

睡眠薬の量はどんどん増え、それと比例しての量も増えた。
洗面所の鏡の中には亡霊の様な男の姿が映っていた。
それでもすべてのハンドとボードをひたすら記憶し、
針の糸を通す様なわずかな勝機を探した。

やがて私のチップは少しずつ彼に追いついて行った。

そして数え切れない程の繰り返しの果てに、
ついに私のスタックは相手よりわずかに上を行った。

金髪の若者は相当にイライラしている様子だった。
無理もない、チップ量三分の一に満たない所から逆転されたのだ。

「レイズだ。メイク・・・」

彼は私のプリフロップレイズに3ベットを被せて来た。
私のハンドは♦K♦Q。そのままコールした。

フロップ:♠K♦T♦4

Kがペアになった。
それを知ってか知らずか、金髪の彼はポットベットして来た。
当然私はそれに対して三倍をレイズする。

彼は少し考えると、

「オールイン」

そう宣言した。

「コール」

私もそれを受ける。

♠A ♣A

彼のショウしたハンドはAAだった。
またここでやり直しになってしまうのか?
いや、まだ私にもフラッシュやツーペアの可能性がある。

ターン:♠K♦T♦4 ♠J

落ちたのはJ。まだ分からない。

リバー:♠K♦T♦4♠J ♣9

リバーに落ちたのは9だった。
奇跡的に私はストレートを引き当てたのだ!

「優勝はエドワード・ゲイツさんです!!」
フロアマネージャーがそう宣言した。

終わった、ついに終わったんだ。

会場に大きな拍手が鳴り響いていた。
しかしその音はどんどん遠くなって行く。
そして私は自分の体がスローモーションの様にフロアに向かって崩れ落ちて行くのを、
まるで他人事の様に感じていた。



(エディ、私のお腹にね・・・新しい家族が出来たのよ)
(だからお願い、もうポーカーの事は諦めて・・・)

(止めてエディ、何をするの。どうしたの突然、止めて、止めて!




叫び声を上げて私は目を覚ました。

部屋の中は真っ暗だった。
ここはどこだ、私はあのループから抜け出せたのか?
あちこちを手探りしている内に、何かのスイッチに触れ灯りが点いた。

「ここは・・・?」

そこは見覚えのある部屋だった。だがあのホテルではない。
私が目覚めたのはまぎれもなく自分の家、
レイクサイドヒルの安アパートの一室だった。

あわてて枕元に置いてあった時計で日付を確認する。

『七月四日』

またいつもと同じだった。
だがここはあのホテルの部屋ではない。
という事は・・・。

全て夢だったのか。

私はほっと息を吐いた。
ずいぶん長い夢を見ていたものだ。
すっかり喉がカラカラだ。
私は冷蔵庫からバドワイザーを取り出し、
それを口にしながらテレビを付けた。

『ノバマ大統領は本日の独立記念日のパレードに参加し、
その後集まった聴衆に対して演説を行い・・・』

思わず耳を疑った。
去年行われた選挙で、
大統領はノバマからクリンプに代わったはずだ。

まさか。

私は慌てて新聞の日付を確認した。

『二〇××年 七月四日』

それは去年の日付だった。

もう何がなんだか分からない。
今度は一年前に戻ってしまったとでも言うのか?
では今度はこの一年前の七月四日を何度も繰り返さなければならないのか?

頭をかかえ、部屋の中をうろうろしている内に、
私は大事な事に気が付いた。

ケイトだ。

この時はまだケイトと一緒に暮らしていた。
そしてこの独立記念日の夜、彼女と何か大切な約束をしていた気がする。

嫌な予感がした。

何だ? 何かとても大切な事だった。
しかし思い出せない。いや、思い出したくない・・・。

いつの間にか体中にびっしょりと汗をかいていた。
ケイトに電話をかけてみた、しかし繋がらない。

私はいても立ってもいられなくなり、外に出た。
外はもうすっかり日が暮れており、
どこか遠くで独立記念日を祝う花火があがる音が聞こえていた。

そのままトヨタを走らせて、近くの湖に向かった。
何故だかは分からない。もちろんそんな所にケイトがいる訳がない。
いや、いないならそれでいい。いない事を確認したかった。

湖には三十分程で到着した。
良く二人で訪れた場所だ。
あの時もケイトと二人でここに来た。

・・・あの時?

あの時とはいつだ、ケイトがいなくなる前か?
いやケイトがいなくなったその日の夜も、ここに来なかったろうか。

頭の中が溶けて行きそうだった。

Sはとっくに切れていた。
体が何かねばねばした物にまとわりつかれている様だった。

行くな。行っては駄目だ。
どこからか、そう声が聞こえた。

だがどうしても確かめたい。
ケイトがここにいるのか、いないのか。

湖のほとりから道をはずれ、
真っ暗な道をしばらく歩いた所に朽ちたボート小屋あった。
誰も近寄らない私とケイトだけの秘密の場所だ。

入り口の扉には鍵がかかっていた。
だが私は知っている、すぐそばの植え込みの下に鍵はある。

私は震える手で、そっと扉を開いた。
そのとたん中からは物凄い臭気が漂ってきた。
思わず吐きそうになるのをこらえて、私は扉の中を覗きこんだ・・・。

何もない。

部屋の中にはただがらんとした暗闇だけが広がっていた。
ケイトはいない。やっぱりただの思い過ごしだったのだ。

安堵したとたん体が急に軽くなった。
私は扉を閉めると、元来た道を戻ろうと振り返った。

「フリーーーズ!!」

突然大きな声と共に、無数のライトが私に向かって照らされた。
いつの間にかボート小屋は大勢の人間に取り囲まれていた。
そしてそのほぼ全員がこちらに向かって銃を向けている。

私があっけにとられ、文字通り凍りついていると、
やがて光の向こうから二人の男が姿を現した。

「こんな所に隠してやがったのか。どうりで見つからない訳だ」

それはあのトーナメントで最後にHUで闘った金髪の青年だった。
しかし若者の胸には保安官のバッジが光っていた。

そしてその横にいるのはカジノのフロアマネージャーだった。
フロアマネージャーはがっくりと肩を落とし、
憔悴しきった顔をしていた。

「おお、ケイト・・・可哀そうに」

その目から大粒の涙がこぼれ落ちた。

ケイト? 
何の事だ、ケイトはここにはいない。

「何言ってやがる。良く見てみろ、このジャンキーが!」

保安官がそう言って乱暴に私の後ろの扉を開いた。
そしてハンドライトの光を扉の中に向けると、
とたん何十匹ものネズミが蜘蛛の子を散らすようにそこから逃げて行った。

その下から現れたものは・・・

私は悲鳴を上げ、そのまま意識を失った。



「やれやれやっと解決しましたね保安官」

気が付くと私はパトカーの中で両手両足を拘束され、
どこかに連れて行かれようとしていた。
前の席でさっきの保安官とその部下らしい男が話しているのがぼんやり聞こえた。

「まったくだ、こいつのおかげで俺は何日もポーカーをやらされるハメになったんだ」
「でも何もこんな大げさな事をしなくても、
ちょっと痛めつけてやればそれで良かったんじゃないですか?」

それを聞いた保安官は首を振った。

「ヤクのせいか知らんがこいつは死体の隠し場所どころか、
自分が女房を殺した事すら忘れちまってたんだ」

吐き捨てるようにそう言った。

「そこで彼女の父親、実業家のマイルズさんは
にせのポーカー大会をでっちあげてなんとかこいつに
ケイトさんの事を思い出させようとしたのさ。
こいつが寝た後で時計の日付を戻し、
カードもまったく同じものが配られる様に細工した。
数百人のエキストラを雇って、時間が巻戻ったかの様に錯覚させたんだ」

すごい大がかりでしたねと、部下の男は言った。

「執念だな。娘を探し出したい、その一心だったんだろう。
ま、だからこそ俺も協力しようと言う気になったんだが」

私はようやく総てを理解した。

時間が戻っていたのではなかった。
あのポーカー大会は全て仕組まれたものだったのだ。

そしてあのフロアマネージャー、
以前どこかで会っていた気がしていたがそうではなかった。

彼はケイトに似ていたのだ。ケイトの父親だったのだ。

私が真相に気が付くと、それと同時に今まで忘れようとしていた事が
頭の中にまざまざと蘇って来た。

私はあの時ケイトに、もうポーカーを辞めてくれと言われたのだ。
そしてお腹の中に子供がいるという事も。

そして私は、私は・・・

再び私の口から絶叫がほとばしった。
私は車の窓やシートに何度も何度も頭を打ち付けた。

「暴れるなこいつ、おとなしくしろ!」

いくら言われても止められなかった。
やがて保安官達に押さえつけられ、
めちゃくちゃに殴られて気絶するまで私は頭を打ち続けた。





真っ暗な部屋の中で私は目を覚ました。
ここはどこだ?
ホテルの部屋か、アパートか、それとも刑務所の中だろうか。

私はもうそれを確かめる気力もなく、再び目を閉じた。

             〈了〉

***************************************

さていかがだったでござるかな?

今回は外国の翻訳ミステリーっぽい文体を意識して
書いてみたのでちょっと硬い感じでござるかな?

ぜひ感想を聞かせていただけると、拙者感激でござる。

そでは今宵はこれまで。次回まで御免!!



posted by 桃太郎侍 at 20:47| Comment(0) | ポーカー小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月20日

【ポーカー小説】エドワード・ゲイツにAAは要らない 前篇

ブラフ!
オールイン!
ブルゾン桃太郎
withB!!(特に意味はありません)

毎度ポーカープレイヤーに生まれて良かった拙者でござる。

皆さんはトーナメントにおいて、
「あの時降りておけば良かったなぁ」とか
「行っておけば正解だった」
なんて後悔した事があると思うでござる。

そして誰もが一度はトーナメントの最初に戻って
すべてのハンドをやり直したいと思った事が
あると思うでござる。

今回はそんな願いが叶ってしまった男の話。
いわゆるループものというヤツでござるな。

さて彼は無事トーナメントに優勝出来るのか?

まぁ暇があったら読んでいただきたいでござる。
それではどうぞ〜。

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エドワード・ゲイツにAAは要らない




私は無言でAAを投げ捨てた。

 トーナメントは既に中盤に差し掛かっていた。
私の持ち点は三万点弱、アベレージが約十万点程なので結構なショートスタックだ。
そんな中で配られたAA。それはまさしく神の祝福、
天から降りてきた一本の蜘蛛の糸だと言えよう。
だがUTGのプレイヤーがリンプすると、私は無言でAAを投げ捨てた。

 ありえない。

きっと誰もがそう思うだろう、しかしそれにはもちろん訳がある。
私はそれが神の助けではなく、悪魔の誘いである事を知っているのだ。

私の後ろのプレイヤーは全員降りてBBはオプションチェック。
フロップが開かれた。

フロップ: ♠J  ♥7  ♣2

私はそのボードに見覚えがあった。
そして次にUTGのプレイヤーがBetし、BBのプレイヤーはコールする。
それも私は知っている。

UTGのプレイヤーは22を持っており、
フロップでセットを引いているのだ。
一方BBのハンドはKJ。
トップペアを降りられずにUTGに最大限のバリューを取られる事になるだろう。

何故そんな事が分かるのか? 

それは私がこの場面を経験するのは、これで三回目だからだ

一回目の私はここでトーナメントを敗退している。
僥倖とも思えたAAがUTGのセットにぶつかってしまったのだ。

二回目の時は少し躊躇したが、AAを諦めて様子を見る事にした。
すると起こったのが、今言った展開だ。

そして三回目。
三回目も私の目の前でまるで映画の様に、まったく同じ場面が繰り返された。

どうやら私が同じ行動を取れば、そっくりそのまま同じ事が繰り返されるらしい。
ならば焦る必要はない、チャンスはある。私はそう自分に言い聞かせた。


 私の時間が繰り返す様になったのは、丁度三日前の事だった。
と言っても時間が巻き戻っているので、日付の上ではまだ今日だが。

 私はミシガン州のレイクサイドヒルという田舎町で
観光客相手に細々と日銭を稼ぐ、しがないポーカープロだった。
 普段はキャッシュゲームがメインで、
時間がかかる割に金にならないトーナメントには殆ど参加しない。

 だがある日、隣町に新しくオープンしたカジノから
オープニングセレモニーの招待状が届いたのだ。
 それにはホテルの宿泊券と、そこのカジノで行われる
ポーカートーナメントの参加チケットが入っていた。

 優勝賞金は一万ドル。

 もちろん今ラスベガスで行われている世界大会とは
比べようもない小さな大会だ。
しかし有名プロ達はこの時期こぞってそちらに参加している、
ならば狙い目の様な気がした。
もちろん無料で参加出来ると言うのもいい。

私の思惑は的中し、トーナメントには有名プロどころか
私の様な素人相手に商売をしている同業者さえ見当たらなかった。
トーナメントに参加するのはしばらくぶりとは言え、
素人ばかりなら優勝するのはさほど難しくないはずだ。
私は密かに一万ドルの使い道に思いを馳せた。

しかし、いざ大会が始まると
私の元にはそれこそゴミクズの様なハンドしか入って来なかった。
手が入らなければ、ブラフするしかない。
しかしそうなると、相手が素人ばかりなのは却って厄介だった。

やつらは自分の手札しか見ていない。
そして一度ペアが出来たなら最後までコールし続ける。
例えそれが2のワンペアだったとしてもだ。

結局私の目論みははずれ、トーナメント中盤で
あっさりAAが負けて、そのまま敗退となった。
私は小さく舌打ちをし、そしてこんな素人ばかりの大会でも
勝ちきれない自分のふがいなさを呪った。

「ゲイツさん、もうお帰りですか?」

ふて腐れてカジノを去ろうとした時、初老の男から声をかけられた。
このカジノを取り仕切っているフロアマネージャーだ。
大会に先立つオープニングセレモニーで挨拶をしていたのを見た。

しかし私は以前、この男をどこかで見た事がある様な気がしていた。
ただそれがいつだったのか、どこでだったのか、さっぱり思い出せない。

「久しぶりにトーナメントに参加して少し疲れたみたいだ。
一旦部屋に戻って休んでからまた出直すよ」

そう言い残して、私はカジノを後にした。


部屋に戻ると、私の体を泥の様な疲労感が覆っていた。
最近はいつもそうだ。
テーブルについている時はまだましだが、
一旦テーブルを離れると立っているのもしんどくなる。

そのままベッドの上に倒れ込みしばらく動けずにいた。
体はだるく、頭の中はもやがかかった様にはっきりしない。
それなのにいざ眠ろうとしてもなかなか寝付けないのだ。

私は常備している睡眠薬を取り出し、
医者に言われた三倍の量をバドワイザーで流し込んだ。




(エディ、大事な話があるの)
(なんだいあらたまって?)

(もし、もしもよ、あなたさえ良ければ父の会社で働いてみない? 
新しくお店を出すので人手が足りないんだって)
(おいおい止めてくれよ俺はプロのポーカープレイヤーだ。
ポーカー以外の仕事をする気なんてないよ)

(エディ・・・)




目が覚めると真っ暗な部屋の中にいた。
部屋のデジタル時計は、AM11:00を表示していた。
私の仕事時間はいつも夜からなので、
昼間は部屋に厚いカーテンを引いて日の光が一切入らない様にしている。

あれだけ睡眠薬を飲んだのにも関わらず、
結局眠りにつけたのはもう明け方近くになってからだ。
正味三時間くらいしか寝れていない。
体は夕べと同じ様に重たいままだ。

しかしこれ以上ベッドの中にいても、再び眠りが訪れる事はなさそうだった。
私はベッドからのろのろと這い出すと、
手探りでバッグの奥に隠しておいたを取り出し、鼻から吸った。

するとようやく脳に血が流れ始めたのか、頭がすっきりし始めた。
最近はこれなしでは、起き上がる事も出来ない。
私は軽くシャワーを浴びて身支度を整えると、再びカジノへ向かう事にした。

 昨日のトーナメントは散々な結果だったが、
私の本業はあくまでキャッシュゲーム。むしろここからが本番だ。

 昨日見た所客層は悪くないし、
なにより同業者の姿をまったく見かけない。
 最近はずっと調子が悪く、そろそろ貯金も尽きかけていた。
ここらでしっかり稼いでおかないといずれホームレスの仲間入りだ。

 そんな思いでカジノに足を踏み入れると、
私の目に不思議な光景が飛び込んできた。

カジノではちょうどオープニングセレモニーの真っ最中だったのだ。

「・・・それではこの後、オープン記念ポーカー大会と、
バカラ大会が行われます。皆様ご存分にお楽しみ下さい。
シャッフル&ディール!」

 フロアマネージャーがそう宣言すると、場内は大きな拍手に包まれた。
 私は強烈なデジャブに襲われた。

 昨日も私はそのセレモニーに参加していた。
マネージャーのセリフも一言一句まったく同じだ。
二日連続で同じ開会式をするなんて事があるのだろうか?

腕時計のカレンダーを確認して見ると、

『七月四日』

独立記念日を間違えるアメリカ人などいやしない。
それは確かに昨日だった。

私は上着の胸ポケットを探った。
昨日はそこに送られて来たチケットを入れていた。
今はもう何も入っていないはずだ。

だが私の指先に硬い紙の感蝕があった。

恐る恐る取り出すと、それは間違いなくポーカー大会のチケットだった。

(それでは昨日のあれは・・・夢?)

それとも今こうして見ているのが夢なのか。
いくら考えても答えは出ない。
結局私は考えるのを止めにした。どちらにせよやる事は一つだ。

私はチケットを握りしめると、
参加手続きをしにカウンターへ向かった。

【三回目】

♥8 ♦2

AAをフォールドした少し後、私の元にこのハンドが配られた。
普段なら即座に投げ捨てる様なクズハンドだ。
だが、私はブラインドの5倍をレイズした。

BTNのプレイヤーがこれをコール。
フロップが開かれた。

フロップ:♠8 ♣2 ♣K

私のクズハンドはたちまちツーペアとなった。
当然だ、このフロップは前回既に経験している。

私の残りスタックはもうわずかだ。当然オールインをする。
BTNのプレイヤーは少し悩んでコールした。
BTNのハンドはKJだ。

ターン:♠8♣2♣K ♦J

ターンで相手もツーペアとなった。ツーペア同士だが、
もちろん向こうの手の方が強い。
ガッツポーズをするBTN。だが私には余裕があった。

リバー:♠8♣2♣K♦J ♥2

リバーで私はフルハウスを完成させ勝利した。
BTNのプレイヤーには気の毒だが、もちろんこうなる事は分かっていたのだ。
これでスタックは倍になった。

だがそれ以降あまりいいハンドが入らなかった。
残り二十人程になった所でAJがKKに負け、
三度目の正直とはいかず私はトーナメントを敗退した。

【4回目】

AJは回避するものの、数順後に来たAKが
ランナーランナーで相手にフラッシュを引かれ敗退。
十八位。

【6回目】

AKをスルーした後にQQが入り、フロップセットとなった。
これでスタックは少し回復するも、その後が続かない。
なんとかファイナルテーブルに進出する事が出来たが、
そのまま九位終了。

「ゲイツさん、もうお帰りですか?」

もう何度この言葉を聞いた事だろう。
私はだんだん、これが夢なのか現実なのか
分からなくなって来ていた。

かれこれ一週間近くもの間、
まったく同じトーナメントを繰り返しているのだ。
頭がおかしくなりそうだった。

順位は少しずつ上がって来ている。
この調子なら後何回か繰り返せば、優勝する事が出来るだろう。

だが、それで終わりになるのだろうか?

優勝して次に目が覚めた時、明日になっているとは限らない。
また今日が始まっている可能性だってある。

それは考えるのも恐ろしい事だった。
もしそうなら、私はこのトーナメントを永遠に繰り返さなければならない。

私は激しく頭を振った。
いや大丈夫だ。
優勝すれば、優勝さえ出来れば今日は終わる。
きっとそうに違いない。
私は祈る様に自分に言い聞かせた。

「どうしたんです、ずいぶんとお疲れのご様子ですね?」

フロアマネージャーがそう言った。
その言葉に私は違和感を覚えた。
そう、それは初めて聞くセリフだったからだ。

突然の事に私は呆然と目の前の男の顔を見た。
やはりその顔には見覚えがある。

「失礼、以前どこかで会ったことがありましたか?」

私は胸の奥につかえていた疑問を口にした。

「お忘れですかゲイツさん。
私は以前レイクサイドヒルに住んでいたのですよ。
奥様のケイトさんとも良く教会でご一緒させていただきました」

男はにこやかにそう答えた。
まったく記憶にないが、どうやらこのフロアマネージャーはかつての隣人だった様だ。
もう何年も教会には顔を出していないが、
通りですれ違った事くらいはあったかも知れない。

「ではもしかしてこの招待状はあなたが?」

フロアマネージャーは頷いた。

「奥様から、あなたがポーカーをしている事はお聞きしていました。
それで差し出がましいとは思いましたが、招待状を贈らせていただいたのです」

そうだったのか。

有名プロならいざしらず、無名の自分の所に
何故招待状が届いたのか不思議だったが、
それはこの男が手配してくれたものだったのだ。

「奥様はお元気ですか?」

男の言葉に私は少し口ごもった。

「・・・それが女房とはもう一緒ではないのです」

そう言うと男の顔が曇った。

「ちょうど一年程前の事です。くだらない事でケンカをしましてね、
怒って家を出て行ってしまったのですよ」
「そうでしたか、それは失礼な事をお聞きしてしまいました」
「いえ、いいんです。いずれこうなる気はしていました。
彼女とはしょせん住む世界が違っていたんです」

妻のケイトはいわゆる金持ちの令嬢だった。
会った事はないがケイトの父親はいくつもの会社を経営する実業家だったはずだ。

付き合い始めた頃、私が仕事から(もちろんポーカーだ)帰ると、
彼女が真っ赤に目を腫らしていた事があった。
理由を尋ねると、私の職業の事で両親に猛烈な反対をされたと言うのだ。
今思えばあたりまえの話だが、若かった私はそれに激しい憤りを覚えた。

彼女の両親も私がメージャーリーガーや、
NFLの選手ならきっとそんな事は言わなかっただろう。
しかし私にしてみれば、ポーカーこそが至高のゲームであり、
それらのプロスポーツになんら劣る所があるとは思っていなかった。

とは言え何の実績もない駆け出しのプロがいくらそう主張しても、
彼女の両親を説得する事は出来ないだろうし、またしたくもなかった。

ならば実力で納得させるしかない。

私は彼女を連れて、半ば駆け落ち同然で街を出た。
そして誰もが知る有名なトッププロになって改めて両親に挨拶に行こうと決意した。 

結局その機会は訪れないままだったが。

申し訳なさそうな顔をするマネージャーに別れを告げて、
私は再び体を引きずる様にして部屋へと戻った。



(エディ、またモーガンさんにお金を借りたの・・・?)
(たいした事ない、すぐに返せる額さ。
最近ちょっと調子悪くてね。そんな時もあるさ)

(エディ、私ね・・・)


後編へ続く

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いかがだったでござるかな?

後編はまた明日にでもアップするのでお楽しみに。

それでは今宵はこれまで、次回まで御免!!

posted by 桃太郎侍 at 18:56| Comment(0) | ポーカー小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする